ダーリンと呼ばせて~嘘からはじめる三カ月の恋人~
 いちいち幸せを噛み締めてしまうんのだ。

「こんなの食べるの初めて……」

「俺も四宮のおかげで初めて食べる。ありがとう」

 (だからどうして……)

 お礼を言わなければいけないのは私だ。私ばかり尽くしてもらっている。私の我儘で始まったことなのに……ずっと安積さんからもらってばかりだ。

「すごい……思い出です」

 きっと忘れられない。

「二十五歳……私の中できっと一番煌めいてる誕生日です」

「……」

「ありがとうございました」

 たくさん、満たされるような時間を。

「嬉しいです」
 
 そうこぼした私に安積さんの手がソッと伸びてきた。
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