ダーリンと呼ばせて~嘘からはじめる三カ月の恋人~
「リセットされたかな?」

「そんなぁ……でも今日の私にはあれこれと仕込み物がありますからっ!」

 意気込んで袋から買ってきた貢ぎ物を取り出してモモちゃんに近づく。それを安積さんは何も言わずに微笑ましく見つめてくれた。
 ぶら下げ式の猫じゃらし、長さが調整できるから飼い主はもちろん猫ひとりでも遊べるもの。まずそれを使ってシャラシャラと音を鳴らしたら反応はない。隙間を覗き込んで名前を呼びながらシャラシャラ振り続けていたら安積さんに声をかけられる。

「先に飯食わない?」

「でも……まだモモちゃんが……」

「それ吊り下げできるんだろ? どっかに張り付けて放っておこう。四宮が離れたら出てくるかも」

 ハッキリ言われてなんだか泣きそうになる。それでも空腹に負けてしまった。熱材付きの容器に入れられた温められるオードブル。人気のアンガス牛のステーキに牛タンシチューと豪華なメニュー。シーフードのアヒージョやトリュフ風味のクロケット……とにかく豪華である。

「へぇ、紐を引っ張るだけで温められるとかすごいな」

「美味しそう!」

 こんな幸せなディナーを過ごさせてもらっていいのだろうか。
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