ダーリンと呼ばせて~嘘からはじめる三カ月の恋人~
 抱きしめる場所でいたい。

 安積さんを迎え入れて、いつまでも待っていられる存在でありたい。


「おかえりさない。お疲れさまでした」

「本当に疲れたんだけど。もう中国ヤダ」

「ふふ……そうですか」

 それでも頼りにされてまたこき使われるかもしれないですね? は、今言うと拗ねちゃいそうだから言わずにおく。

「お疲れなら早く帰りましょ? モモちゃんも待ってます」

「モモだけ?」

(え?)

 そんな試すような聞き方をして意地悪そうに微笑むその顔だってどうしようもないほど愛おしい。

「私もに、決まってるでしょ?」

「可愛い」

 ちゅっと鼻の上にキスを落とされてただ甘いだけの時間。胸が震えるほど愛しい時間に包まれた。
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