ダーリンと呼ばせて~嘘からはじめる三カ月の恋人~
「お話があります。少しお時間いただけませんか」

 喫煙ルームで柳瀬といるところに直球で攻めてきた四宮。

 俺は一昨日確かに断ったはずなのだが? むしろ避けられると思っていたがまさかの鋼メンタル! まずは呆気に取られてしまい、この状況だ。
 
「……」

 これは絶対俺に断る機会を失くす先手を打ってきている、そう思った。

(柳瀬がいる前であえて逃げ道なくさせる気だな、こいつ)

「えーっと、なに? 俺が行くわ」

 空気を読み過ぎる柳瀬がタバコを灰皿に押し付けてそんな風に言ってしまうから、内心行くな! と叫びたくなる。
 
「あとで、なんて言わずに今どうぞ?」

「すみません、お気を遣わせてしまいまして……」

「いやいや、タイミング大事よね?」
 
(なんなんだ、この恐ろしく連携の取れた二人はっ!)
 

「うんうん、ゆっくり話して~? なんならここ立ち入り禁止ってみんなに言っておこうか?」

「柳瀬っ!」

 お前、マジでふざけるなよ! と、泣きたくなる。

 まさかの密室ふたりきり、しかも振った相手とだ。
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