【完結】悲劇の継母が幸せになるまで
「……ヴァネッサ、大丈夫か?」
ギルベルトの声にハッとしたヴァネッサは涙を拭ってから「申し訳ありません」と呟くように言った。
(ギルベルト様に守ってもらってばかりだわ。守るなんて言ったのに情けないと思われたしら……)
彼はエディットに掴まれて乱れた髪を優しく直してくれた。
顔を上げると、苦しそうに顔を歪めたギルベルトがヴァネッサを強く抱きしめた。
「一人にしてすまなかった。ヴァネッサ……怖かったろう?」
「……ギルベルト様」
「本当にすまない……っ」
ギルベルトの体温と心臓の音が布越しに伝わってくる。
ヴァネッサはギルベルトの服をギュッと掴み目を閉じた。
彼は急いでヴァネッサの元に駆けつけてエディットたちから守ってくれた。
それだけでヴァネッサは救われたような気がした。
(先ほどまであんなに怖かったのが嘘みたいだわ)
それから体を離すと、ギルベルトはヴァネッサに怪我がないか確かめているようだ。
それからあることを提案する。
「一度、シュリーズ公爵邸に帰ろう」
「……!」