【完結】悲劇の継母が幸せになるまで
「──この泥棒猫ッ」

「何よっ、あんただって元娼婦のくせに! 聞いたわよ、汚い手を使って元伯爵夫人を殺したんでしょう!?」

「どうしてそのことを……っ」

「伯爵がペラペラ話をしていたわよ? 前妻の娘を病弱の役立たずにしたのもあんただって聞いたわ! さっさと地獄に落ちなッ」


凄まじい罵り合いにヴァネッサはそっとアンリエッタの耳を塞ぐ。

ティンナール伯爵夫人はヴァネッサの母親を殺して、ヴァネッサも追い詰めていた。
女性は伯爵から聞いたのだと伯爵夫人の罪を次々と暴露していく。
その卑劣なやり口にはヴァネッサも驚きを隠せない。

どうやらティンナール伯爵は娼婦に金を注ぎ込んで子を身篭らせた。
それから今日、夫人とエディットが暴挙に出て消えるのを傍観して彼女が伯爵夫人に収まる予定だったそうだ。
だからティンナール伯爵は暴走を二人のことを止めなかった。
二人にすべての責任を擦り付けて、自分は新しく結婚しようとしていたのだということが娼婦の女性の言葉によって理解することができた。


「ちょっとなんとかいいなさいよ! このっ、責任をとれよ! クソッタレ」

「……裏切り者ッ! 信じられないっ! このクソ野郎がぁッ」


二人は騎士たちに取り押さえられながらも伯爵夫人と娼婦の女性はティンナール伯爵を足蹴りにしている。
もはやパーティーを続けられるよう状態ではなかった。
そのまま複数の騎士たちに引きずられるようにして彼らは会場を後にした。
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