愛おしい、君との週末配信✩.*˚【BL】
 お会計を終え、袋に商品を詰めている永瀬を見つめながら考える。

「次は、手芸のところに行こうか。カートに荷物乗せたままで大丈夫かな」

そう言いながら永瀬が進み出したから、慌てて追いかけた。途中で〝ポイント本日五倍〟の文字が目に入る。

「そういえばカードのこと忘れてた。お会計の時、ポイントカード出したか?」
「いや、そういうの興味ないから作ってない」
「いや、勿体なさすぎる。一万ぐらい買ってたけどポイント五倍だったら二百円で五ポイントだから……」

 永瀬が微笑みながらこっちを向いていて、その顔を見て言葉を途中で止めた。

「……ご、ごめん」
「なんで羽月が謝るの?」
「いや……僕、本当に口悪すぎるなって思って」
「謝らなくていいよ」

 そしていつものように余裕があるような顔を見せてくる。

――笑顔の裏では今、どんなことを考えているのだろうか。

 再びさっきの嫌われるのが怖いという言葉がぐわんぐわん頭の中に浮かんできた。永瀬は、いつ表情を崩すのだろう。演技以外での怒った顔、泣いた顔……全て見てみたいなとふと思う。永瀬が崩れた瞬間を直接見てみたい。

< 18 / 52 >

この作品をシェア

pagetop