愛おしい、君との週末配信✩.*˚【BL】
永瀬と僕は黙って食べ、桜塚と山田はカメラを意識しながらずっと話をしていた。と、そんな感じでお昼ご飯の時間は終わった。
次はとうとう世間に流れる動画を撮る時間だ。撮影部屋に移動すると、顔が映るように僕たちの正面にカメラが置かれた。正面に置かれるとさっきの斜め後ろにカメラがあった時よりも緊張感が増す。
「四人バージョンの編集楽しみだな~」とまだ撮ってもいないのに山田が呟いた。
今から撮る動画は山田が後から編集するのは知っていた。直接聞いたわけではない。撮影裏話の動画で山田が一生懸命編集している様子がアップされていたのを観た。
白色のローテーブルに広げた布やビーズ。それらをじっと眺めていると僕の横に永瀬が座った。
僕は何をすればいいんだろう。
こないだ会議はしたけれど、結局話し合いらしいことはあんまりしていなかったな。
最後まで流れるままに、周りに全て任せよう。
僕は正座をし、背筋を伸ばしながら誰かが何かやるのを待機した。僕たちを囲むように桜塚たちも座ってきた。
左から山田、永瀬、僕、桜塚の順番に並んだ。
「オープニングどうする?」と桜塚が問うと
「好きなようにしていいよ」と永瀬が答える。
「まぁ、一応考えてきたんだけどな。今から伝授するから覚えてくれ」
あぁ、映るだけでも緊張するのに桜塚が言った話を覚えなければならないのか。
「じゃあ、まずは……」
間違えて迷惑はかけたくはないから真剣に話を聞いた。そしてついにカメラの録画ボタンが押されて撮影が始まってしまった。
「みなさん、こんにちは! 桜塚です」
「山田です」
「今回は、記念すべき二十回目の配信となります。そしてなんと、新しいレギュラーメンバーが!」
「今回だけじゃなくてレギュラーになってくれるのか?」
桜塚と山田が交互に話をしている。
「多分、なってくれるはず! それでは自己紹介をお願いします。まずは、北の大地の芸能活動で大活躍中の、かけるん!」
「大活躍中なのかな? 初めまして。かけるんこと、永瀬翔です。頑張りますのでよろしくお願いします」
アイドルの微笑みを見せる永瀬。
「そして、偶然生配信で映ったのと同時に話題になった、天使の」
桜塚は言いながら手をばばっとこっちに向けてくる。
「は、羽月優心です。よろしく、お願い、します……」
「ということで、今日の企画は手芸が得意な優心さまに手芸を教わりたいと思いまっす! 優心さま、今日は何を作るのでしょうか?」
「……」
無駄にテンションが高いな。あぁ、なんかこの感じ、苦手だなぁ……逃げたい。緊張は溶けて逆に冷めてしまう。
「羽月、カメラないと思って普段通りでいいから」と、無言になったせいで緊張しすぎていると思われたのか、永瀬が耳元で呟いた。
「……今日は、シュシュを作ります」
「誰かにプレゼント?」と山田が聞いてくる。
「僕の妹たちに……」
「いいね! 可愛い! 俺たちも優心さまの妹たちにプレゼントするシュシュ作ってみるか!」と桜塚はピンク色のギンガムチェックのはぎれ布を手に取る。
「羽月は、どの布がいい?」
「黄色い花柄がいい」
だって、風花が一番好きそうな柄だから。
永瀬が「やっぱりそうだよね」と僕の心を読んだように黄色い花柄模様の布を手に取り、僕に渡した。続けて永瀬は「俺はクマが好きだからこれかな」と白地にクマ模様の布を選んだ。山田は残りの水色の布だ。
次はとうとう世間に流れる動画を撮る時間だ。撮影部屋に移動すると、顔が映るように僕たちの正面にカメラが置かれた。正面に置かれるとさっきの斜め後ろにカメラがあった時よりも緊張感が増す。
「四人バージョンの編集楽しみだな~」とまだ撮ってもいないのに山田が呟いた。
今から撮る動画は山田が後から編集するのは知っていた。直接聞いたわけではない。撮影裏話の動画で山田が一生懸命編集している様子がアップされていたのを観た。
白色のローテーブルに広げた布やビーズ。それらをじっと眺めていると僕の横に永瀬が座った。
僕は何をすればいいんだろう。
こないだ会議はしたけれど、結局話し合いらしいことはあんまりしていなかったな。
最後まで流れるままに、周りに全て任せよう。
僕は正座をし、背筋を伸ばしながら誰かが何かやるのを待機した。僕たちを囲むように桜塚たちも座ってきた。
左から山田、永瀬、僕、桜塚の順番に並んだ。
「オープニングどうする?」と桜塚が問うと
「好きなようにしていいよ」と永瀬が答える。
「まぁ、一応考えてきたんだけどな。今から伝授するから覚えてくれ」
あぁ、映るだけでも緊張するのに桜塚が言った話を覚えなければならないのか。
「じゃあ、まずは……」
間違えて迷惑はかけたくはないから真剣に話を聞いた。そしてついにカメラの録画ボタンが押されて撮影が始まってしまった。
「みなさん、こんにちは! 桜塚です」
「山田です」
「今回は、記念すべき二十回目の配信となります。そしてなんと、新しいレギュラーメンバーが!」
「今回だけじゃなくてレギュラーになってくれるのか?」
桜塚と山田が交互に話をしている。
「多分、なってくれるはず! それでは自己紹介をお願いします。まずは、北の大地の芸能活動で大活躍中の、かけるん!」
「大活躍中なのかな? 初めまして。かけるんこと、永瀬翔です。頑張りますのでよろしくお願いします」
アイドルの微笑みを見せる永瀬。
「そして、偶然生配信で映ったのと同時に話題になった、天使の」
桜塚は言いながら手をばばっとこっちに向けてくる。
「は、羽月優心です。よろしく、お願い、します……」
「ということで、今日の企画は手芸が得意な優心さまに手芸を教わりたいと思いまっす! 優心さま、今日は何を作るのでしょうか?」
「……」
無駄にテンションが高いな。あぁ、なんかこの感じ、苦手だなぁ……逃げたい。緊張は溶けて逆に冷めてしまう。
「羽月、カメラないと思って普段通りでいいから」と、無言になったせいで緊張しすぎていると思われたのか、永瀬が耳元で呟いた。
「……今日は、シュシュを作ります」
「誰かにプレゼント?」と山田が聞いてくる。
「僕の妹たちに……」
「いいね! 可愛い! 俺たちも優心さまの妹たちにプレゼントするシュシュ作ってみるか!」と桜塚はピンク色のギンガムチェックのはぎれ布を手に取る。
「羽月は、どの布がいい?」
「黄色い花柄がいい」
だって、風花が一番好きそうな柄だから。
永瀬が「やっぱりそうだよね」と僕の心を読んだように黄色い花柄模様の布を手に取り、僕に渡した。続けて永瀬は「俺はクマが好きだからこれかな」と白地にクマ模様の布を選んだ。山田は残りの水色の布だ。