愛おしい、君との週末配信✩.*˚【BL】

6*君に伝えたい本音

 夜、眠ろうとベッドで横になって目を閉じていたけれど、ついスマホを手に取ってしまった。そして永瀬の動画を観る。

 昼は永瀬の意外な一面を知った。画面の中の永瀬はいつも通り完璧な笑顔で、だけど話を聞いてからは笑顔の中に寂しそうな気持ちも混ざっているような気もしてきた。思い返せば、いつも余裕そうに笑っている姿に僕は嫌な気持ちになることもあった。

――永瀬、ただ純粋な気持ちでいつも笑ってるわけじゃなかったんだな。

「夏休みは永瀬に会えなくなるのかぁ……」

 学校、そして週末も永瀬の家で会えていた日々。会えなくなる日を想像して、深いため息をついた。

 ふと、自分が永瀬のことを考える時間がどんどん増えていることに気がつく。

 永瀬の笑顔、時折僕だけに見せる弱い部分、作業をする時の真剣な眼差し。

 ベッドから起き上がり、自分の部屋の壁に貼ってある永瀬のサイン入りポスターを眺める。それから机に置いてある、写真集販売会の時に永瀬と写ったチェキ写真も。ふたりでハートを作った時に指先が触れた。その時の電撃が流れたような感触を今でも思い出す。

 倒れた時に永瀬の家のベッドでふわっと撫でられた感触、四人で初めて動画を撮った日に永瀬と僕の指先が触れた瞬間のドキドキ……最近のトキメキを感じた出来事も。全てはっきりと覚えていて、今も頭から離れない。

「まさか……僕、永瀬のこと、好きになってる?」

 その考えにたどり着いた瞬間、僕は持っていたスマホをベッドに投げ出して枕に顔を埋めた。そんな考えを頭の中に描くと心臓がバクバクと鳴り、顔が熱くなってくる。

 いや、まだ恋していると決まったわけではない。

その自分の気持ちを認めようと認めまいと、永瀬への気持ちは確かに友達以上、恋に限りなく近い部分にあった。



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