悪役令嬢と誤解され王子から婚約破棄を言い渡されましたが私にどうしろというのでしょう?
「だから、違いますって!
ブライ様も何とかおっしゃってください。
アルノート様とジェリーナ様を止めてください!!」

そういえば、ブライはずっと壁際でオロオロしていたんだったわ。

「いやえとあの…」

ブライはもごもごして黙り込んでしまう。
リリアはアルだけではなく、ブライまでも手なずけてしまったみたい。

なんて恐い女…。
もしかしたら、図書館の出来事はリリアがブライに仕込んだのかもしれない。

「早く部屋から出て行け。リリアがかわいそうだ」

かわいそうなのは私の方だわ。
でも、そんなことを思うだけ無駄ね…。

「わかりました。それでは2人とも、末永くお幸せに」

私だって、こんな場所からさっさといなくなりたい。
ドアに向かおうとしたら、リリアが私の前に立ちはだかった。

「どいてくださる?」

「ダメですジェリーナ様。
あなたが退いたら、この国を誰が守るのですか?」

プッツーン!

再び私の中で堪忍袋の緒が切れた。
最後の最後のヒモよ。
もう無理!

「どうしてあなたにそんなことを言われなければならないのですか?」

自分でも信じられないくらい低い声が出る。

「ダメですって?どの口が言うんですの?
あなたが望んだことでしょう。
どうぞ、これからはアルノート王子の婚約者として、日々尽力くださいませ」

「どうしてそんな女を引き止めるんだ、リリア」

アルが駆け寄ってリリアを抱きしめた。

そうか…。
彼女はこれを私に見せたかったのね…。

「君は何も心配しなくていい。僕が守るし、苦労しないで済むように根回しするから」

「だから…」

「根回しとは?さすがに聞き捨てなりませんわ。
アルノート様、まさか1人の女性のために、今までの規律を破るようなことをお考えなのですか?」

「うるさい!君はもう部外者だ。黙っていろ」

アルはずっとリリアを抱きしめたまま。
なんなの、この光景。
私は何を見せられているの?
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