悪役令嬢と誤解され王子から婚約破棄を言い渡されましたが私にどうしろというのでしょう?
「リリア、僕には君しかいない!!!ジェリーナとは婚約解消するから、君は何も心配せず僕についてきてほしい!!!」

卒業パーティーの前日、僕はついにリリアにプロポーズをした。
今まで遠回しに結婚の意志を伝えてきたものの、ジェリーナと婚約破棄する決心がつかず、あいまいなままだった。
だから、リリアも明確な返事をくれないのだろうと思っていた。

しかし、この期に及んでリリアはまだジェリーナを庇う。
そこまでリリアは追いつめられているのか…。
とても可哀そうに思った。

これはもう、ジェリーナには辛い罰を与えるしかない。
ジェリーナも自分が辛い立場に立たされれば、今までの行いを反省するに違いない。
そうだ。卒業パーティーで婚約破棄を発表しよう。
ジェリーナが如何に意地悪で冷たい女か暴露してやるのだ。
素晴らしい名案だ。

そう思ったが、心優しいリリアは酷い仕打ちを受けてもまだジェリーナを庇う。
しかも、卒業パーティーで婚約破棄を発表するリスクまで指摘してきた。
最終的には、リリアの提案で卒業パーティー前に部屋に呼び出し、個人的に婚約破棄を伝えることになった。
やはりリリアは聡明だ。
一番良い方法を提案してくれた。

そして、リリアはやはり僕との結婚を望んでいると確信する。
婚約破棄を穏便に進めようとするのも、全ては僕との結婚をスムーズに運ぶためだ。
僕は嬉しくなった。
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