エレベーターゲーム

第8ゲーム【白宮瑠夏対田辺美奈】

(瑠夏side)
いよいよだ。
最終決戦だ。
美奈対私。
もう祈ったりしない。
ビーーーーーー!

8回戦
白宮瑠夏対田辺美奈

…行こう。
「行こう、美奈」
久しぶりに美奈と話したな…
美奈はやっぱり無言だった。
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どうやって、美奈に後悔を伝えよう。
行き着く階を知っているのは美奈だ。
美奈が私を殺してもおかしくない…
いっそのこと正直に思いを言えば許してくれるのだろうか。
「美奈、ごめん」
美奈は振り向きもしない。
「自分だけ生き残ろうとしたからだ。クラスメイト達を捨てた。美奈のことを捨てた。生きたかった。それが行きすぎた。…そう、死に際に思った。死んでからも、何度も何度も思った。こんなことでは絶対に許されないってわかってるけど、それでも、言いたい。美奈は私の一番の被害者だから」
これは私の本音だ。
「だから、一緒に生き返ろう。生きてやり直そう。美奈も罪を背負って。…生きていれば何度でもやり直せるから」
これは私の本音だ。
「ごめん」
え?
「え?美奈が?」
「私と瑠夏が同じ気持ちだって、今わかった」
まさか!?
「私も、瑠夏を殺したこと、反省してる。でも、死後の世界があって、そこに殺した瑠夏がいると知った時、許してもらえるのかものすごく不安だった。でも、今なら言える。殺してごめん」
そっか。
美奈も、同じだったんだ…
「大丈夫だって!生きてやり直そう。美奈は何にも悪くないから!」
「うん。やっぱ瑠夏といると心強いね」
「私も今、同じ気持ち!」
もう選択肢はひとつだ!
「セーの」
手と手が重なる。
2人で8階のボタンを押した。
ガタン。
「よし!」
部屋に入る。
床は開かない。
無事だ…
するとシャボン玉のようなものに私は包まれた。
何?
そんまま通路を通り、謎の部屋に辿り着く。
「ここは?」
「ここに来た子は生き残れるよ」
「生き返りの権利を与えられたって」
よかった。
美奈と生き残れた。
ほんとよかった。
今言葉に表せないほどの幸せに包まれている。
やっぱり、私の友達は、美奈しかいないね。
すると部屋の扉がガラリと開いた。

結果
両者生存
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