地球最後の日
「中川ちゃーん、廊下で後輩が呼んでるよ~」
こ、このタイミングでまた!?
待ちに待った3時間目の休み時間になったのに、またもや新たな刺客がわたしを訪れた。
タイミングってものがあると思う。
「中川先輩!」
ひょこっと教室のドアから顔をのぞかせたのは、私が所属している自称、読書部の1年生。
実際には読書部って認められてないだただの帰宅部だけどね。
「どうしたの」
再び拒まれた怒りやら悲しみやらでちょっと口調が強くなってしまった。
うう、今日だけはほんとに許してほしい…。
私にとっての休み時間っていうのは次の時間の移動教室の移動時間にあてるか、机に突っ伏して爆睡してるかのどっちかなんだもん。
こんなに忙しい休み時間初めてだよ。
「実は、今度開催される読書会について相談があって…」
読書会というのは毎月ひっそりと開催している、自分が今ハマっている本やメディア化されて注目を集めている本などを紹介し合う会のこと。
もちろん読書部限定の、ね。
「あたし、今月当番なんですけど、空いている教室が見つからないんです」
「図書室は?」
いつもは図書室の奥の方を借りさせてもらって開催しているんだけど、だめなのかな。
そうこうしている間にも時間は着実に過ぎてゆく。
ああ、こんなことしてる場合じゃないのに…!
「その日、ちょうど月に1回の休館日らしくて。図書館司書の先生にも聞いたんですけど無理だそうなんです…」
「そ、そうなんだ…」
「どこかいい空き教室わかりませんか?」
そ、そんなこと言われたって…。
読書部は正式に部活動として認められてないから部長とか副部長とかが決められていない。
ゆるい部活だしいらないよねってずっと不在のままだ。
それがこんなところであだとなるなんて…。