地球最後の日

「ご、ごめんなさい!人違いでした!!」


思いっきり、勢いよく頭を下げた。


あ、穴が当たったら入りたいぃぃ…。


女の子は大丈夫ですよって笑ってくれたけど、こっちは全然大丈夫じゃない。


地球滅亡の前に恥ずか死しそうだよ…。


早くこの場を立ち去りたい一心でもう一度頭を下げたあと、すぐさま退場しようとすると、女の子に止められた。



「あの、もしかして、さっき言った理沙って佐々木理沙先輩のことですか?」


ああ、それを思い返させないでほしい。
ただでさえ消し去りたい過去なのに。


「だったら、今日正門の方の担当ですよ。時間的にも、もう終わってそうですけど…」


ちらりと時計を確認した女の子。


うそぉ…。


入れ違いになっちゃったってこと?

バッドタイミングだよ…。


時間はお昼休みの終わる5分前。

次は移動教室だからもう戻らないと。

それに、次の時間からその次の時間まで連続で同じ授業だ。
その休み時間には教室に戻れない。


ということはもう下校以外渡す時間はないということ。


ああ、本当にだめな日なんだ…。


心は落胆していくばかりだった。

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