Roadside moon
牧羊
*
翌朝。
「…ん、……」
沈み込む体の感覚がジワりと蘇る。
カーテンの隙間から差し込む光の一筋に目が眩み
縮こまった全身を伸ばそうと立ち上がった
そのとき。
腰辺りの違和感に気がつく。
「…んん……」
恐る恐る首を回して
「…え、」
短く声を上げた。
寝起きの靄がかった頭が
一瞬で目を覚ますのがわかった。
「っ、ちょなに!」
誰これ!
「…あと…五分……」
「…え?え?なに、」
(あと五分?)
「いや、ま、起きて!」
「…あと二分…」
「ち、ちが、違くて!貴方誰よ!」
双方とも裸で無かったことだけが唯一の救いか。
藍色のスウェットに身を包んだ、名前も知らない男から咄嗟に距離をとる。
「な、なんで一緒に寝てるの…」
「…ちゃんと……起きるって……」
(…ほんとに、)
なかなか起きようとしない男に痺れを切らし、枕を投げつける。
私は叫んだ。
「起きてよヘンタイ!」