Roadside moon
「えっ、と……」
どこから整理しようか。
まずは、昨日の夜のこと。
(ロンさんが、この建物?の紹介をしてくれた…)
『この隣が寝室、あっちに風呂もあるから。ユニットバスだけど、シャワー浴びたかったら、自由に』
というような感じで。
それで、二人は一旦家に帰ると。
ロンさんが『朝顔出すから、それまでには起きといて』と。
胸やけしそうな笑顔を残していったのを覚えている。
二人が帰ったあとシャワーを浴びて体操服に着替え、ベッドに入って
しばらくスマホを弄っていたけれど、そういえばすぐに寝てしまったような気もする。
アラームも掛けずに。
「…アラーム…」
(…はっ)
「い、今、何時っ」
爆睡の末目を覚ましたところ、件の美少年に添い寝してもらっていた、と。
ざっくり説明するとこんな感じになる。
「9時………」
うちの高校は8時15分始業。
「…どうしよ……」
遅刻。
大遅刻。
「…」
解決策を頭に浮かべてみる。少し悩んで、悩んで、そこまでいって、考えるのをやめた。なにせ頭が悪いので。
(いっか。一日くらい)
「……とりあえず、着替えよう」
先ほどのような、あるいはそれ以上のラッキースケベが起きてしまわないことを祈りつつ、ロッカーの中で見つけた制服に着替え
何やら先ほどから良い匂いのする方を目指し、歩みを進める。
ドアの向こうにはあの美少年と、それからロンさんがいた。
「おっそ。早く」と顔を歪めた美少年とは対照的に、ロンさんからはとびきり甘い笑顔が送られる。
「おはよう、サヨちゃん」
「お、おはよう、ございます…」
(…今日もまた一段とお綺麗で)
「お腹空いてる?」
「うん。空いてます」
「オッケー」