ギャップドル!! - だって「素直」になりたくない -
「なんでむぅばっかり仕事がいっぱいあるのよ!?」
(始まった)
楽屋がうんざりした空気に包まれるのを言葉を発した本人だけが気づかない。

「れーちゃん、別に良いじゃん」
「むぅちゃんが宣伝とか全部やってくれるしさぁ。アタシたち楽だよ?」
「そうそう。むぅちゃんに全部まかせときなよ」
「れーちゃん、また合コン失敗したの?」
誰かが彼女の地雷を踏んだ。彼女はふわふわのウェーブのかかった金髪を振り乱して怒り狂う。メンバー1の明るいコメディエンヌキャラどこ行った。赤担当。レッドだかられーちゃん。うちの最年長。23歳。

「れーちゃん、
きみはもうアイドルとしての賞味期限ギリギリだから」
マネージャーさんの言葉が彼女の怒りに火を注いだようだ。意図して言ったな、今。
「マネージャーさんが無能なのが悪い!!」
「はいはい。僕は無能だよ。無能でごめんな」

「れーちゃんまたひとのせいにしてる」
「なんでお偉いさんの飲み会にむぅばっか連れてくの!? あの子まだお酒飲めないんだよ!?」
「むぅちゃんは空気読める子だから」
「何だよ。アタシは空気読めないって!?」
「年齢でいじってもらえるだけ、ありがたいと思いなさい」
(パワハラだな)
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