ギャップドル!! - だって「素直」になりたくない -
オレンジが嬉しそうにニコッと笑った。私もつられてニコッと笑う。

「普通がいちばんよね。何をもって『普通』なのかわかんないけど」
「『普通』なんて言葉、それこそ自己満だろ」
「私、そろそろ青を引きずって失礼するわ。仕事前にちょっと寝る」
「撤収が遅すぎるんだよ」
「あら、ここに一生居座っても良いのよ? 青と」
「……」

固まったオレンジの左耳に、姐さんが何かを小さくささやいた。
小声だったけれど私にははっきりと聞こえた。背筋が凍った。

「ちい、俺といっしょに海外へ逃げてくれませんか」
「何から逃げるんですか」
「緑から」
「ぶはっ」
オレンジの情けない提案に私は吹き出す。あぁ、おっかしい。あぁ、楽しい!!(きみがだいすき!!)

「ちい、いや、ちいさん」
「何でしょうか」
「一生、きみのお世話させてください」
「本当にひとのお世話大好きですね、きみ。
看護師か保育士か介護士に転職したらいかがですか」
「きみがお世話させてくれるからです。本当は自分で何でもできるのに」
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