【短】人身売買のオークション会場で消えた恋人を高値で買った。sideノア




「今日もエラは誰よりも美しいね」
「…っ、ノア様。恥ずかしいです」
「ふふ、恥ずかしがらないで、僕のエラ。ほらもっとエラの顔を見せて」
「…もう、ノア様、からかっていますね?」
「何のことかな?」



恥ずかしそうに、だけどどこか嬉しそうに頬を赤く染めているエラに僕はますます虜になる。

ああ、叶うことならこの庭園のような美しい箱庭に彼女を閉じ込めてしまいたい。
そうして誰の目にも触れられない場所で僕のためだけにこうして笑っていて欲しい。

そんなことをすればエラに嫌われてしまうかもしれないからできないけれど。
だけどもしこんな僕の願いが叶うのならば。
それは何て素敵なことなのだろうか。

美しいエラを見ているとふとエラの胸元に真珠のブローチが輝いていることに気がつく。
このブローチは確か2日前も身につけていたものだ。
僕も何個かエラにブローチなどを贈っているが、エラはいつもこの真珠のブローチを選んで付けていた。



「君の国では宝石が特産物だったね。この美しい真珠のブローチも君の国のものだよね?誰からの贈り物かな?」



ふわりとエラに微笑みながら僕は問いかける。
心の奥底で黒くドロドロとした感情を感じながら。

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