地の果てに咲く花
綺麗に置かれた可愛いメニューたち。

あたしと桜駒は何も言わずにパシャパシャと写真を撮った。

何枚か撮って気が済んでようやく食べ始める。

「ん〜美味し〜」

桜駒は幸せそうにもぐもぐとマドレーヌを頬張った。

食べてても可愛いってどういうことよ……。

「あ、そう言えば。希空さん何のようだったの?」

あたしが聞けば、桜駒はキャラメルフロートを飲みながら答える。

「今度遊ぼ〜って話」

へえ〜と頷く。

ホント、従姉妹同士でも仲が良いんだから。

「ねえ……みよ。私ってさ、最低なのかな」

食べる手を止めて、急にそんなことを聞いてきた。

最低……?桜駒が?

そんなわけない。

彼女が善良でなければ、誰がそうだというんだ。

「何言って──」

「んーん!冗談!」

そう言った桜駒はもう普段の彼女に戻っていた。

そんな桜駒を見て胸が痛む。

あたしは何か悩んでいる親友の相談にも乗ってあげられない。

最低なのはきっと、あたしの方だよ。
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