地の果てに咲く花
「桜駒……」

最初は、自分の寂しさを埋めるためだった。

姉のように慕ってくれる桜駒を、妹のように可愛がったら私の寂しさは埋まった。

最初は、それだけだったのに。

だったっていうのに……。

「……私も……っ、桜駒のこと妹だって思ってる……っ」

この子があまりにも、優しすぎて。

どうか、私の妹を、これ以上苦しめないでください──。



1週間後。桜駒のお願いを叶えるために、二駅先の場所で降りた。

マップを見て、その通りに歩く。

歩くこと数十分。

「着いた……」

目の前にあるのは、都立秋津中学校。

ここには、桜駒の『お兄ちゃん』がいるはずだ。

確か……落合 聖杜、だった気がする。

『これ……お兄ちゃんに届けてほしい』
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