地の果てに咲く花
雷稀兄は一瞬めんどくさそうに顔を顰めたけど、嫌々ながらという風にこちらへきた。
「雷稀兄……」
「……おかえり……」
雷稀兄は気まずそうに顔を逸らす。
お父さんとしか血の繋がりがない雷稀兄はこの家に居づらいのかな……。
「雷稀兄ー……」
桜駒にじとーっと見つめられ、雷稀兄は眉間に皺を寄せて──渋々桜駒を抱きしめた。
「……聖杜とやれよ……」
「お兄ちゃんとはもうした!」
もういらないと言われてるようで、軽くショックを受ける。
なんか……成長したなあ……うん。
お兄ちゃんは寂しいよ。
「そいやその子誰ー」
桜駒が雷稀兄に抱きつきながら秋真を見て言った。
その場の全員がバッと秋真を見て桜駒を見た。
え、今更?
「……弟だよ」