ポヨポヨな彼の正体を突き止めたいのですが?!
17th Day ②
部屋に戻っていいと言われ、先生の部屋を後にした。
でも、みんなのいる部屋に行きたくなくて反対方向へ歩いて行った。
倉庫みたいになってる部屋のドアが開いていたので、吸い込まれるように入った。
すると、バタン!と大きな音を立ててドアが閉まってしまった。
ビックリしたのと、もう一生ここから出られないんだという考えと、さっき怒られてモヤモヤしている感情がぐちゃぐちゃに混ざり合った。
泣くのは自然のことだった。
大声を出して泣いた。
我慢なんて言葉がこの世に無いくらいに大声でだ。
それでも誰も来なかった。
後で分かったことだが、昔は音楽室として使われていたため、防音がしっかりされていたらしい。
この部屋でお腹をすかして死ぬんだと思った。
常識的に考えれば、いつかは先生や用務員さんが来るだろうし、荷物の向こうには窓があるのだから、開けて外に出られる。
そんなことすら全然気付かずに、ただただ絶望感を抱いて泣き続けていた。
荷物を背にして座り込み、膝を抱えて泣いた。
泣くと疲れるのは必死だ。
いつのまにか泣きながら睡魔と戦っていた。
意識が飛びそうになりかけた時、ドアが開く音がして、誰かが何か叫んでいた。
その後は、頭にプニプニした感触が残っているだけだった。
「宙斗だったの? 私を見つけてくれたの」
「うん、先生に聞いたら部屋に戻ってるって言ってたけど、どこに姿がなかったから、手当たり次第探してたんだ」
「ありがとう。思い出したよ。なんか色々と。大事なことも」
「僕の方だよ。お礼を言わなきゃいけないの」
「でも、あの時から宙斗とは繋がってたんだね」
「そうだね」
くすぐったそうに宙斗が笑った。
「でもさ、中学の時に最初に言ってくれたらいいじゃん!」
「運命だって思っちゃったから、意地でも言いたくなくって。あの時は」
「ね、中学はどうしてあんなに痩せてたの?」
「みうちゃんに好きになってもらいたかったから」
「かっこつけるため?」
「違うよ! みうちゃん、痩せてる背の高い人が好きって言ってたから!!」
「宙斗に? 言ってないよ」
「別の友達と話してる時に、聞いちゃった。ごめん」
「あの頃は、大好きな絵本に出てきた子に夢中で……」
「今は?」
「今は……。わからない。でも、宙斗に無視されるとすごく淋しい」
宙斗の顔が一瞬で真っ赤になった。
つられて自分の顔が熱くなるのが分かった。
「ごめん…今の無し。前言撤回します」
「……しないで欲しかったな」
ポツリとつぶやかれたのが耳に残った。
「……私」
「……僕」
同時に声を出したせいで、また気まずくなった。
「ごめん、何でもない」
「みうちゃん、僕は何でもなくない」
「こんな僕だけど、みうちゃんの事がずっと……」
真剣な目に、心が揺れる。
スマホのコール音が大きく響いた。
びっくりして体が飛び跳ねる。
お互い顔を見合わせて、自分のスマホを確認する。
珍しく私のスマホが鳴っていた。
知らない番号だ。
出たくないが、とりあえず出なければこの場が持たなくて慌てて応対した。
「もしもし……」
「もしもし、まだピザ届かないんだけど」
「すみません、おかけになっている番号お間違えですよ」
「え? マジで? ごめんね」
切られた後のこの空気感。
お互い、愛想笑いしてしまった。
「みうちゃん」
「は、はいっ!」
さっきの続き?
どうしよう。
心臓がもたない。
「モックのシェイク食べ行く?」
「うん、行く。バニラの気分」
「僕はチョコかな…」
当たり障りのない会話が、こんなに心地よいとは。
私は宙斗とどうなりたいんだろう。
一緒に歩きながら、このままがずっと続けばいいのにと思ってしまった。
でも、みんなのいる部屋に行きたくなくて反対方向へ歩いて行った。
倉庫みたいになってる部屋のドアが開いていたので、吸い込まれるように入った。
すると、バタン!と大きな音を立ててドアが閉まってしまった。
ビックリしたのと、もう一生ここから出られないんだという考えと、さっき怒られてモヤモヤしている感情がぐちゃぐちゃに混ざり合った。
泣くのは自然のことだった。
大声を出して泣いた。
我慢なんて言葉がこの世に無いくらいに大声でだ。
それでも誰も来なかった。
後で分かったことだが、昔は音楽室として使われていたため、防音がしっかりされていたらしい。
この部屋でお腹をすかして死ぬんだと思った。
常識的に考えれば、いつかは先生や用務員さんが来るだろうし、荷物の向こうには窓があるのだから、開けて外に出られる。
そんなことすら全然気付かずに、ただただ絶望感を抱いて泣き続けていた。
荷物を背にして座り込み、膝を抱えて泣いた。
泣くと疲れるのは必死だ。
いつのまにか泣きながら睡魔と戦っていた。
意識が飛びそうになりかけた時、ドアが開く音がして、誰かが何か叫んでいた。
その後は、頭にプニプニした感触が残っているだけだった。
「宙斗だったの? 私を見つけてくれたの」
「うん、先生に聞いたら部屋に戻ってるって言ってたけど、どこに姿がなかったから、手当たり次第探してたんだ」
「ありがとう。思い出したよ。なんか色々と。大事なことも」
「僕の方だよ。お礼を言わなきゃいけないの」
「でも、あの時から宙斗とは繋がってたんだね」
「そうだね」
くすぐったそうに宙斗が笑った。
「でもさ、中学の時に最初に言ってくれたらいいじゃん!」
「運命だって思っちゃったから、意地でも言いたくなくって。あの時は」
「ね、中学はどうしてあんなに痩せてたの?」
「みうちゃんに好きになってもらいたかったから」
「かっこつけるため?」
「違うよ! みうちゃん、痩せてる背の高い人が好きって言ってたから!!」
「宙斗に? 言ってないよ」
「別の友達と話してる時に、聞いちゃった。ごめん」
「あの頃は、大好きな絵本に出てきた子に夢中で……」
「今は?」
「今は……。わからない。でも、宙斗に無視されるとすごく淋しい」
宙斗の顔が一瞬で真っ赤になった。
つられて自分の顔が熱くなるのが分かった。
「ごめん…今の無し。前言撤回します」
「……しないで欲しかったな」
ポツリとつぶやかれたのが耳に残った。
「……私」
「……僕」
同時に声を出したせいで、また気まずくなった。
「ごめん、何でもない」
「みうちゃん、僕は何でもなくない」
「こんな僕だけど、みうちゃんの事がずっと……」
真剣な目に、心が揺れる。
スマホのコール音が大きく響いた。
びっくりして体が飛び跳ねる。
お互い顔を見合わせて、自分のスマホを確認する。
珍しく私のスマホが鳴っていた。
知らない番号だ。
出たくないが、とりあえず出なければこの場が持たなくて慌てて応対した。
「もしもし……」
「もしもし、まだピザ届かないんだけど」
「すみません、おかけになっている番号お間違えですよ」
「え? マジで? ごめんね」
切られた後のこの空気感。
お互い、愛想笑いしてしまった。
「みうちゃん」
「は、はいっ!」
さっきの続き?
どうしよう。
心臓がもたない。
「モックのシェイク食べ行く?」
「うん、行く。バニラの気分」
「僕はチョコかな…」
当たり障りのない会話が、こんなに心地よいとは。
私は宙斗とどうなりたいんだろう。
一緒に歩きながら、このままがずっと続けばいいのにと思ってしまった。