ポヨポヨな彼の正体を突き止めたいのですが?!

6th Days

雨上がりの後って、花がすごくイキイキして見える。


元気ですよパワーのオーラがいつもより強い。


雨降って地固まるって聞いた事あるけど、何だっけ?


一方、私は雨降り続き。


モヤモヤを通り越して、雨の連続。


入学してすぐ、丸々と太った元カレに会い、左手骨折。


しかも、介抱してくれたのはその元カレで、どうやら私のストーカーっぽい。


もしかして同じ学部になったのも、偶然じゃなくて必然?


こういう場合、どうしたらいいんだろう。


ちゃんとしたストーカー被害の証拠もない。


これでは、きっと警察も取りあってくれない。


とにかく何か証拠がいる。


アイツの正体を暴いていくしかないんだけど…。


どうやって?


友達のフリするしかない?


「みうちゃん、どう? 困ってることある?」


幸い、いつも私の姿を見つけては話しかけてくる。


この状況をうまく使うしかなさそうね。


「特にないよ」


「それならいいけど。この前休んだ時の講義のノート、コピーしてきたよ。どうぞ」


「ありがと。あれ?」


「何? 何か不足?」


「いや、病院行ってる間の授業の分もあるから。だって、付き添いしてくれてたから、出てないでしょ?」


「友達がコピーさせてくれたからね。ちゃんと、了解もらってるよ」


「友達?」


「そう」


私より先に友達作ってたことに驚き、少なからずともショックだった。


「お礼いいたいから、今度紹介してよ」


「どうかな? とってもシャイなんだよ。でも聞いてみるね」


「うん、ぜひ。宙斗とその友達と私の3人で美味しいの食べに行こうよ」


「いいね。誘っておくよ」


「よろしくね」


「ご飯食べれてる?」


「うん、薬飲むと痛み止まるし、なんなら絶好調だよ」


「よかった」


宙斗がにっこり笑った。


ここで、私も笑えばさらに信頼関係が深まるはずだ。


やってみるか。


にっこり。


「みうちゃん、もしかして変なの食べた?」


最高の笑顔を見せたはずなのにめちゃくちゃ不審がっている。


「食べてません!」


「そう? 愛想笑いは似合わないよ」


バレてる。


今まで、不機嫌で対応してきたからやっぱり通用しないよね。


私って、やっぱり小細工とか無理だから、直接聞くしかないか。


「今、どこ住んでるの?」


「学校の寮だよ」


「そうなの? よく入れたね。私、抽選外れたんだよ」


「男子寮の方が多いんじゃないかな? 古い方は人気無いし」


「ここから遠いの?」


「バスで20分くらいかな」


「なかなか遠いんだね」


「近い方じゃない? もう一棟は電車通学になるとこだったよ?」


「そっちは、大学院寄りなのかもね」


「そうだね。みうちゃんはアパート借りるの大変だった?」


「ギリギリだったよ。最後の部屋だった」


「よかったね。みうちゃんの所、人気エリアだもんね」


「ってかさ! なんで、私の住んでるとこ何で知ってるの?」


聞いてやった!


バーンって、宙斗の顔に言葉を叩きつけてやったカンジ。


心臓が鳴り止まない。


さあ、どう答える?


仲田宙斗!


キョトンとしていた。


「受付する時、書類書かなきゃいけなくて、保険証預かったでしょ?」


あ、そうだ。


代わりに書いてくれていました。


「そうだったね。あの時はありがとう」


「それでソワソワしてたんだね。そうだよね。怖がらせてごめんね」


「そういえば、くしゃくしゃになったシールってどうしたの?」


「え?」


ソワソワしている。


明らかにおかしな態度だ。


「すごく大切にしてるよ」


「返して」


「もともと、僕のなんだからダメ。みうちゃんにはこっちをあげるから」


クリアフォルダーを差し出された。


開くと、それぞれのフォルダにピッチリと『シジョー』に出てくる高校生探偵7人と、シークレットシール(全員集合)の合計8枚のシールが入れられていた。


「シークレット、すごーい!!!」


「気に入った?」


激しく首を縦に振る。


いや、もう、ストーカー疑惑とかどうでもよくなってしまう。


「今度、一緒にチョコ買いに行こうね」


「うん、私も買う!」


「この辺のお店は売り切れてて、寮から遠いところとかに行かないと置いてないんだ」


「確かに。学生がみんな買っちゃうよね」


「もっとたくさん製造すればいいのにね」


「ネットで買おうとしたら、高額だったよ。オークションになってたりとか」


「そうなんだ。じゃあ、早めに行かないとだね。まだ置いてそうなお店見つけたら連絡するよ」


「私も探してみる」


「OK。じゃ、またね」


「うん、次の授業は別々なんだね」


「社会学だから」


「そっか。私は国際法」


「頑張ってね」


そう言うと、ドタドタと走って行ってしまった。


普通に話せる。


うん。


このくらいがちょうどいいなと思い始めてしまった。
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