苦手な同僚が同担だった件について。


 思っていた通りのチャラさだと思う一方、似合っているのも確か。
 明るい色をカッコよく着こなせているのは彼の容姿端麗さを物語っているし、現に周囲の視線が飛鳥さんに集まっている。

 今日はこの人とずっと一緒なのか……と思うと目眩がしそうになる。


「お疲れ様です」


 かける言葉に悩んだが、いつも通りの挨拶にした。
 声をかけられた飛鳥さんは何故かギョッとして私を凝視し、固まっている。

 言いたいことはわかるが、あからさまな反応をされると不快だ。


「……角田です」
「あっ! いやその、お疲れ様です」


 ハッとして慌てて挨拶した後、飛鳥さんは大袈裟に大きな声をあげた。


「角田さん、めちゃくちゃ綺麗ですね!」
「えっ……」
「会社と全然違うから一瞬誰かわかんなかったです! 休みはいつもこんな感じ?」
「いつもでは……出かける時はこうですけど」
「そっか! 推しに会う時は気合い入るよね!」


 そう言って飛鳥さんは満面の笑みを浮かべる。


「今日は会えるわけではないけど……俺もすっごく楽しみで! もう今日を楽しみに仕事頑張ったわ〜」
「……本当にお好きなんですね」
「はい!」


 照れ臭そうに笑う彼が不覚にもかわいいと思ってしまった。

 何なのだ、この感情は。
 今日はずっとこんな感じなのだろうか。

 調子が狂って仕方ない――。


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