苦手な同僚が同担だった件について。


「えっ、博誠堂!?」
「そう、やり手の営業マンだったみたいだよ」


 ある日妃乃さんから角田さんがあの大手広告代理店・博誠堂で働いていたことを聞いた。
 元営業だったのは当たってたけど、まさか博誠堂だったとは……。


「人事も面接の時は営業をやりたいか聞いたけど、本人は事務志望だったんだって」
「そうなんですか」
「まあ営業も色々大変だからね。彼女、事務も向いてると思うし」
「確かに」
「角田さんも飛鳥くんも優秀な人材が来てくれたって社長がドヤ顔してたよ」
「ははっ、社長のドヤ顔想像できますね」
「期待してるってさ」
「頑張りまーす」


 妃乃さんは社長夫人とは思えない気さくな人で、社内でも人気がある。
 今もクリエイティブチームのリーダーを務めながら、自分もバリバリ働いている。
 しかも子育てと両立させているからすごい。

 この会社は社長が俺と同い年だからか、若い人が多い。
 新しいことにはどんどんチャレンジしていこうという精神だし、意見が言いやすく風通しの良いところが気に入っている。

 基本的にみんな仲良いし、だからこそ角田さんとも仲良くなりたいと思うんだけど――迷惑かな。

 そう思っていた時、偶然角田さんがL.knightsのファンであるということを知ってしまった。
 あの時はとにかく興奮してしまった。


< 70 / 140 >

この作品をシェア

pagetop