苦手な同僚が同担だった件について。


 好きなものの話になると、こんなにかわいいんだな。
 淡々と完璧に仕事をこなす角田さんはカッコいいと思っていたけど、意外なギャップを知れた。

 何より誰かと桂馬やエルナイを語り合えたことが嬉しかったし、角田さんが否定せずに聞いてくれたことも嬉しかった。
 やっぱり心のどこかで変な目で見られることを恐れていたから。


「飛鳥さんって休みの日は何されてるんですか?」
「うーん、友達と飲みに行ったり映画とかドラマ観てるかな」


 飲み会で聞かれる鉄板のやり取り。嘘はついていない。
 昔から仲の良い友人と飲みに行くことはあるし、撮り溜めた桂馬や香が出演するドラマを一気見したりしている。
 動画配信サイトで過去の映画を観ることもある。


「最近のおすすめありますか?」
「『Blue Days』とか……」
「知ってます! 成瀬桂馬が主演のやつ!」
「あ、そうそう。あれ面白いよね」
「面白いですよね〜。成瀬桂馬ってあんなにイケメンだったんですね〜。バラエティのイメージでしたけど」


 そう、桂馬はカッコいいんだよ。
 バラエティではアイドルなのに体張ったり、過酷ロケにも挑戦しているけど本業はアイドルなんだよ。

 そう熱弁したい気持ちをグッと堪えた。
 当たり障りなく「そうだよねー」なんて相槌を打ってばかりいた。
 こんな飲み会は今までにも何度もあった。


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