『可愛い君へ』

仕事中の朝霞の表情はほとんど崩れずクールだ。

けれど今、花苗の目の前にいる朝霞は美味しいスイーツを前に、柔らかい顔をしている。

そんなレアな朝霞を独り占めしているみたいで、花苗はちょっとした優越感に浸っていた。

かき氷を食べ終わり、店を出たふたりに沈黙が漂った。

問題はこれからどうするか、だ。

朝霞はただ純粋にかき氷というものを食べてみたかっただけなのだろうか?

それとも・・・

「もし時間があればだが・・・一つ先の駅に文学者ゆかりの公園がある。そこで・・・散歩でもしないか?君が嫌じゃなければ、の話だが。」

朝霞が花苗の顔色を伺いながら、そう提案した。

「・・・はい。行きたいです。」

花苗ははにかみながらそう答えた。

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