かりそめの恋人なのに、溺愛が止まりません

第四 まだあいつに未練があるのか

(どう言うこと?)

「では失礼します」

柿崎は光高に一礼して、その場を後にした。

「つぐみ、あいつと食事行くなよ」

「はい」

(社長、怒ってる?)

つぐみはこんな光高をはじめて見た。

「帰るぞ、今日は外で食っていこう」

「はい」

帰りの車の中で、光高は一言も言葉を発しなかった。

「あのう、社長、怒ってます?」

「社長じゃない、光高だろ、何度言ったらわかるんだ」

「そんな言い方しなくてもいいじゃないですか」

光高は黙ってしまった。

食事をしてからマンションに戻ると、光高はつぐみを抱き抱えて
寝室のベッドに直行した。

ベッドに身体が沈み、唇を塞がれた。
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