エイプリルフールの嘘

 そして、12時になる前
 11時半に彼を呼び出した。

 「どうしたんだよ」

 懐疑的な目を向ける博くん

 「ちょっと聞いてほしいことがあって」

 そう言って、私は春斗君を呼ぶ。

 「俺たち」
 「わたしたち」
 「「付き合いました」」

 そう、言った。
 もちろんこれ自体が嘘だ。

 付き合ってなどいない。
 それに、私は春斗君とは友達として仲はいいものの、異性としての目は全く向けていない。

 「え……?」

 博君は、目を丸くした。
 そしてその場で固まる。
 これは、嘘成功?
 私は心の中でガッツポーズを決めた。
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