エイプリルフールの嘘

 だけど、博君はいつまでたっても硬直から回復する兆しが見えない。
 もっとわかりやすいように驚く、かと思ったのに。
 そしてすぐに立ち直るとも思ったのに。

 「俺は……」
 「どうしたの?」
 「俺は、綾のことが」

 そう言って博君が逃げ出してしまった。
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