【完結】ヴィスタリア帝国の花嫁Ⅱ 〜婚約破棄された小国の公爵令嬢は帝国の皇子に溺愛される〜
――顔を真っ赤にして、目を潤ませるエリス。
アレクシスはそんな彼女の頬に鼻を摺り寄せ、そっと唇を落とすと、こう続けた。
「誰が何と言おうと、君は俺のものだ、エリス。君が他の男に何をされようと、周りが君をどう思おうと、俺が君を愛していることは変わらない。君の心も、体も、魂も。この髪のひと房まで、全ては俺のものだということを、決して忘れるな」
「……っ」
その告白に、エリスはハッと目を見開いた。
自分がアレクシスを安心させるつもりだったのに、逆に安心させられてどうするのだ――そんな気持ちで、アレクシスを見つめ返す。
「わたくしも、殿下と同じ気持ちですわ。怖いなどと思うはずがありません。ただ……少し、恥ずかしかっただけで……」
すると、アレクシスもまた驚いたような顔をしたが、すぐに安堵したように目を細めた。
「……そうか。ならば続きをさせてもらうぞ。腹の子のことがあるから挿れるつもりはないが、正直……もう限界なんだ」
そう言って薄く微笑むと、エリスが答えるよりも早く、薄紅色の唇に、深く深く口づける。
「――エリス。二度と、君の体を他の男に触れさせるな」
と諭すように囁いては、自身の痕を刻み付けるかのように、エリスの体に、何度も、執拗に、口づけの雨を降らせていった。