過つは彼の性、許すは我の心 壱

 駄目な父親の一例の如く、お金で娘の機嫌を買おうとする(普通のお父さんは島は買えないけれど)匡獅さんに、妃帥ちゃんの視線がまた冷たくなりかけたが、話が進まないからかグッと堪えて言葉を告げる。


 改めて妃帥ちゃんが言った言葉は、


「今後お兄様のパーティーの付き添いは、綴にやらせて頂戴」


 私に関わる事だった。


「ひ、妃帥ちゃん?」

「…それはどうしてかな」


 妃帥ちゃんは私と匡獅さん両方に目をやりながら、


「お父様聞いているでしょう、綴に起きている事。だったら私だけじゃ駄目なのも分かるでしょう」


 自分の父に訴える。

 ちょ、ちょっと待ってくれ。

 そんな天條君達が出席する様なパーティーとか、庶民派代表が行っていいものじゃないでしょう。


「妃帥ちゃんあの、」

「そうだな…私は支障が出なければ問題ないよ。獅帥はどうなんだ」

「…俺も問題ない」

「そうか、獅帥なら綴さんのフォローも出来るだろう」


 話が急流に流れる石の如く止めようもない。

 しかも腹を括ろうとする前に、


「明日さっそくウチでパーティーがあるから一緒に出席すると良い」


 早速出番が来てしまう様だった。


「綴さん。ご両親には私から説明しておくから、獅帥に任せてゆっくり楽しんでくれ」
 

 にっこりと微笑む匡獅さんの姿は流石の親子。

 
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