過つは彼の性、許すは我の心 壱


 恐ろしいと思う反面、惣倉君が言っていた事ってこう言う事なのかと、納得すらした。

 法は守らないって、こう言う事なのか。

 それを同級生の過去から理解するのも複雑だけど。


「どないな経緯で四葉があの家に来たのかは知らへんけど、頭を床に付けて、姉の子だけはってお願いしてくれとってな。四葉は生涯天女目の、土師の駒として生きて行く事を誓わせられて、俺は生き残った」

「…」

「そっからは四葉の所で暫くは暮らしとったけど、わりかし大きなったら土師に戻らされて、以降は連絡も取らへんかった」


 凌久君が話を終えると、辺りが静かさに支配されて、雲に隠れたお月様が現れる。

 何て言えばいいのか分からずに俯くしかない私は、ただただ月の光に照らされるしかなかった。

 そんな私に、


「つづ」


 先程の冷たい声色と真逆の声で私を呼ぶ。

 温度のある声。

 ふと見上げると、既に目の前にいた凌久君は、とても暖かな瞳で私を見下ろしていた。


「… 繋がりってな、思た以上に厄介でな。俺も四葉も繋がりを絶ったのは、お互いがまた要らへん悪意の犠牲に成りかねへん思ての事やねん。下手したら一生会わなも思うとった」


 “一生会わない”

 そんな覚悟を持って生きて行く。

 四葉さんもそうだけれど、凌久君だってまだ小さかった頃の話だろう。
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