過つは彼の性、許すは我の心 壱
『気のない返事ねえ。いい?ここからが大事なことよ』
『大事なこと?』
『もしね、その物語みたいな出来事が自分に起きても、しっかりと自分を持ちなさい』
『?』
『流されるんじゃないよ。強く…強く…自分を持って、真っ直ぐな目で向かい合いなさい』
『??』
『大丈夫。いやでも分かるわよ』
子供のように笑った祖母。
そう言った祖母は、小学生最後の夏に亡くなった。
その時は意味が分からなくてボケっと話を聞いていたけれど、祖母はその後に起きることを予期していたのかもしれない。
………結局、アドバイス無駄にしちゃったな。
「おっと」
考え耽るのは後後。
山積みの教材にあたりかけて、慌てて除ける。
視界を遮るほど教材を山積みにするのってどうなの?と思いながら、雪崩れ込みそうな山積みの教材の隙間を通り抜けていく。
その時、
「え、」
コロコロと何かが飛び出てきて靴に当たる。
ビーズ?何だろう。
よく見たくてしゃがみ込んでそのビーズを拾い上げる。
赤い…何だろう。まさか宝石?
光に翳してよく見ようとしたところで、
「触らないで!」
切り裂くような声に視線を合わせてーーー固まった。
逆に何で気づかなかった、いや気づこうとしなかったのか。
さっきのが可愛く思えるほどの、幻覚が私を襲う。
『ありがとう!助かった!やっぱり持つべきは頭の良い親友ね!』
『アハハッ!!』
『ほーんと馬鹿ね』
『アンタに分かるわけないじゃない!』