アラサーの私が、なぜか御曹司で超絶イケメンの年下男子から、溺愛されました

化粧道具が入ったポーチを取りに職場へ行くと、課員のみんなから「おはようございます」と挨拶されたのだけど、徹夜した事をみんなには隠したい気持ちが私にはあり、寝癖がついたらしい頭を手で押さえながら挨拶を返したりした。

ところが、

「北野さん、もしかして徹夜したんですか？」

と、なぜか簡単にばれてしまった。悪い事をしたわけじゃないから、別に構わないんだけど。

「うん。実はそうなの」
「で、差異は解決したんですか？」

「それは大丈夫。何とか解決したわ」
「さすがですね。お疲れさまでした」

「どういたしまして。それはそうと、みんなに紹介したい人がいるから、ちょっと待ってね？」

と言い残し、私は足早に化粧室へ向かった。

化粧室の鏡に映った自分の顔は、思った以上に酷かった。髪はボサボサで、化粧は殆どはがれてスッピンに近く、目の下には薄くクマが出来ていた。

私が徹夜したって、課員のみんなが一目で気付くわけだわ。と言うか、私はこんな顔で吉田君と接してたわけ！？

もう、最悪……