アラサーの私が、なぜか御曹司で超絶イケメンの年下男子から、溺愛されました

髪をお湯で濡らしてブラシをかけると、寝癖はなんとか直すことが出来た。そして、大急ぎで顔を洗ってお化粧を直し、小走りで吉田君のところへ戻ると、彼は長い脚を組んでソファに座り、下を向いてスマホを見ていた。

「お待たせ」

と、息を切らし気味にして私が言うと、吉田君はすぐに顔を上げて私を見て、脚を解きながらスマホをズボンのポケットに仕舞い、すっと立ち上がった。その流れるような彼の所作が、私にはとても素敵に見えた。

「葉子せ……じゃなかった葉子さん。寝癖は直ったんですか？」

”葉子せ”？
さっきも吉田君はそう言いかけた思うけど、その先に続く言葉って何なんだろう……

「葉子さん？」
「あ、うん。直ったと思う」

と答えたら、吉田君は「どれどれ」と言いながら私の肩に手をかけ、私の後頭部を上から覗き込んだ。

「ああ、バッチリですね」
「そ、そう？」

改めて思ったけど、吉田君って本当に背が高い。私の身長は160センチちょうどで、私との身長差から察するに、ざっと190センチぐらいと思われた。

といったことよりも……