Lord of My Heart 〜呪われ伯爵の白い(はずだった)結婚〜
案内された部屋に入り、ジョーが荷物を運び終わると、オリヴィアは疲れた身体をそのままベッドに沈めた。
水色のキルトが白いシーツの上に掛かった大きな四柱式のベッドで、枕も当然のように真っ白で飾り気がない。
身体を横たえたまま天井を見上げる。
ここへ上がるまで、屋敷の中は質素きわまりなかったが、この寝室だけは彫り飾りのついた重厚な梁がめぐらせてあり、それなりの形式というか……伯爵の寝室としての威厳を保っているように思えた。
オリヴィアは深い溜息を吐き、しばし思いを巡らせてみる。
あっという間の出来事だった──。
二十歳の誕生日を目前にして、突然父から言い渡された結婚話。名前も、存在さえも知らなかった男、ノースウッド伯爵エドモンド・バレット卿との結婚だ。
オリヴィアは、自分が結婚適齢期を外れはじめているのを理解していたし、特に恋人がいたわけでもないから、時期がくれば父の決めてきた相手に嫁がされるのだろうということに、一応納得していた。
(私には、シェリー姉さまのような強さはないもの)
オリヴィアは夢見がちなロマンチストだったけれど、姉シェリーのように愛を求めて奔放に行動できるほど、大胆ではない。
恋をしたい。
愛のある結婚をしたい。
そんなことを夢見る、平凡な十九歳だった。
オリヴィアには二人の兄と、一人の姉がいる。三人ともそれはよくできた兄妹で、輝くような美貌に溢れんばかりの野望を秘め、社交界の寵児として崇め奉られている……らしい。
らしいというのは、オリヴィア自身はあまり宴のような席にはでず、出ても端っこで壁の花になっているだけなのが常だったからだ。
水色のキルトが白いシーツの上に掛かった大きな四柱式のベッドで、枕も当然のように真っ白で飾り気がない。
身体を横たえたまま天井を見上げる。
ここへ上がるまで、屋敷の中は質素きわまりなかったが、この寝室だけは彫り飾りのついた重厚な梁がめぐらせてあり、それなりの形式というか……伯爵の寝室としての威厳を保っているように思えた。
オリヴィアは深い溜息を吐き、しばし思いを巡らせてみる。
あっという間の出来事だった──。
二十歳の誕生日を目前にして、突然父から言い渡された結婚話。名前も、存在さえも知らなかった男、ノースウッド伯爵エドモンド・バレット卿との結婚だ。
オリヴィアは、自分が結婚適齢期を外れはじめているのを理解していたし、特に恋人がいたわけでもないから、時期がくれば父の決めてきた相手に嫁がされるのだろうということに、一応納得していた。
(私には、シェリー姉さまのような強さはないもの)
オリヴィアは夢見がちなロマンチストだったけれど、姉シェリーのように愛を求めて奔放に行動できるほど、大胆ではない。
恋をしたい。
愛のある結婚をしたい。
そんなことを夢見る、平凡な十九歳だった。
オリヴィアには二人の兄と、一人の姉がいる。三人ともそれはよくできた兄妹で、輝くような美貌に溢れんばかりの野望を秘め、社交界の寵児として崇め奉られている……らしい。
らしいというのは、オリヴィア自身はあまり宴のような席にはでず、出ても端っこで壁の花になっているだけなのが常だったからだ。