重いけどいいの?お嬢サマ
✧変化する関係✧
『二人で寝たい』を叶えるため、部屋にやって来た矢絃。
その手には小さなビニール袋。あまり持ってこないように伝えたからか、いつもより控えめな量。
「どうかしたの」
「ううん、なんでも。いつもよりお菓子減らせたようで何よりね」
奏矢のメッセージを読んで、返す間もなくスマホをポケットにしまう。
「偉いっしょ。かろりーおふってやつもあったから、これはオジョーに買ってきた。これなら許されるお菓子かと思ってさ」
矢絃は私の隣に座り、お菓子を広げていく。
「……で、これはってかベッドにゴロンしながら話そうよ」
そう言って矢絃は広げたお菓子を雑に押しながら、布団の中へと入る。
ああ、ほら。ベッドメイキングよろしくとか言っておいてすぐぐちゃぐちゃじゃない。
本当、想像を裏切らないんだから。
「ほら、オジョーもおいで」
「……分かったわよ」
隣を叩き、私が入れるよう布団をめくる矢絃。
大人しく布団の中へ入れば、矢絃はすぐにお菓子へと手を伸ばした。
「とりあえず、交流会からの色々おつかれーってことで乾杯」
持たせられたお菓子同士で乾杯。
まぁお互いにお疲れの意味ではいいかもしれない。