重いけどいいの?お嬢サマ
「……見てたの?」
「いや見てなくても、外からの声で分かるさ。校舎内からも登校を知らせる声が聞こえてくるしね」
登校を知らせる声って……
「ま、そうだよね。車からも寄ってくる子達が見えるのも日課だし、二年目ですから慣れました」
「ははっ、でもそんな人気執事くんたちの主である君もすごいと思うけどな」
はにかみながら慧は、私の前の席に座った。
「……私は別に」
「謙遜するなっするな。一年の時から、学園の四天王の立場守ってるんだし?」
慧は私の肩をばしばしと叩く。
割りと加減を知らない強さに眉を寄せれば、慧は苦笑いを浮かべる。
「四天王って……勝手に決められて、そういう肩書きつけられてるだけでしょ?それを言うなら慧もだし」
「わたしは見た目だけだろ。特にどの教科も抜きん出てるわけじゃないしな。それに、この言葉遣いを未だに注意される」