ガテン系おまわりさんの、溺愛彼女
「……え?」

「何と言うか、職業柄、知られると周囲から変に気を使われてしまうので。内密にしてもらえると助かります」

 たしかに警察官と言われると、やましいことがなくても身構えてしまう人がほとんどだろう。それに、特殊な職業なので守秘義務などもあるに違いない。

「ふふ、大丈夫ですよ。絶対に言いませんから」

「ありがとうございます!」

「もしかして、二人はお知り合い?」

 そう話しかけて来たのは、北野さんだった。

「ま、まあ……」

「だったら橘さん、今日は黒崎さんと一緒に外遊びを担当してくれるかな? 初めて手伝ってもらうなら、一番やりやすいと思うんだ」

 学童スタッフの仕事は、宿題のサポートからおやつの準備に至るまで多岐にわたる。

 宿題のサポートは子によって理解度が異なるため、やや難易度が高い。おやつの準備はアレルギーの子の分を別に用意することもあり、かなり注意が必要だ。そうなると、たしかに外遊びが一番良いだろう。

「はい、分かりました!」

「よろしくお願いします」

 こうして、私は黒崎さんと外遊びを担当することになったのである。
< 8 / 145 >

この作品をシェア

pagetop