ガテン系おまわりさんの、溺愛彼女


「外遊びは、子どもたちの遊びに参加する役と、遊びに参加せず全体を見守る役の二手に分かれます。遊びに参加する時は、ボールが花壇の方に飛んでいかないように注意してください」

「な、なるほど」

「黒崎さんには、今日は遊びに参加する役をお願いしたいのですが、大丈夫ですか?」

「もちろんです!」

 児童たちが来るまでの間、私は事務室で黒崎さんに外遊びの流れを説明していた。

 この学童「おひさまの家」では、公立の保育園として使われていた建物を改装して利用している。広い庭には遊具や花壇もあり、施設としての充実度合いも十分だ。

 しかし、敷地面積が広いということは、スタッフの目が行き届かず、子どもの思わぬ怪我に繋がってしまう危険性もある。そのため、外遊びの際は必ず二人以上で対応することが決まりとなっていた。

「万が一子どもが怪我をしてしまった場合は、事務室の一番右端の棚の一番下の段に、救急箱があるので使ってください」

 棚から救急箱を取り出して、私は説明を続ける。
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