ベンチャーCEOの想い溢れる初恋婚 溺れるほどの一途なキスを君に

   ◇

 ソファで目を覚ました蒼也は、頭を振りながらシャワーを浴びに浴室に向かった。

 昨夜は悠輝から誤解は解消したと連絡をもらったが、レイナから《女子会するから一人で反省してなさい》とメッセージが来たきり、結局翠は帰ってこなかった。

 ただ、日付が変わるまで続いた会議のせいで、自分自身も帰宅してからの記憶がないし、今朝も、これからすぐに出かけなければならない。

 仕事、仕事で、我ながら情けない。

 こんなことだから、翠とすれ違うのだ。

 だが、社員や株主、会社の社会的使命に対して責任を負う立場にいる以上、弱音を吐いてはいられない。

 今はトラブルにきっちりとけりをつけて、それから向き合うしかない。

 ――翠、今どこにいる?

《帰ったら、ちゃんと話がしたい。愛してるよ》

 蒼也は書き置きを残してオフィスへ向かった。

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