ベンチャーCEOの想い溢れる初恋婚 溺れるほどの一途なキスを君に
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ソファで目を覚ました蒼也は、頭を振りながらシャワーを浴びに浴室に向かった。
昨夜は悠輝から誤解は解消したと連絡をもらったが、レイナから《女子会するから一人で反省してなさい》とメッセージが来たきり、結局翠は帰ってこなかった。
ただ、日付が変わるまで続いた会議のせいで、自分自身も帰宅してからの記憶がないし、今朝も、これからすぐに出かけなければならない。
仕事、仕事で、我ながら情けない。
こんなことだから、翠とすれ違うのだ。
だが、社員や株主、会社の社会的使命に対して責任を負う立場にいる以上、弱音を吐いてはいられない。
今はトラブルにきっちりとけりをつけて、それから向き合うしかない。
――翠、今どこにいる?
《帰ったら、ちゃんと話がしたい。愛してるよ》
蒼也は書き置きを残してオフィスへ向かった。