Bitter×Sweet
「愛衣ね。ほら、行くぞ」

「えっ?」


助けてくれた男の子は、私の腕を引っ張って歩き出した。

一緒にいる男の子も、私の横に来てニコニコと。


あれ?

私、イジメられるんじゃないの?


「あ、啓〜っ!遅いよ〜!って、この子誰?」


わ〜!すっごい可愛い人!

あ、もしかして彼女…?


「愛衣。お前、イジメんなよ」

「はぁ?イジメるわけないじゃん?愛衣ちゃん、私川島 瑠璃(かわしま るり)よろしくね!」

「あ…岩下 愛衣です…よろしくお願いします…」


こんなの初めて。

今まで私のこと見ると、みんなすぐイジメてきた。

なのに、この人たちはむしろ優しくしてくれる。


この日から私は、この人たちに憧れだした。

ヒーローだって思ってた。
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