恐怖姉妹
そんな梨里を必要としている部活も多くて、休日になるとバスケの試合だとサッカーの練習の付き合いだのと、忙しく動き回っている。

『私の運動神経なんて、大人になったら役に立たなくなるから』
と、梨里はよく言っていたけれど、それは柚柚が懸命にしている勉強だって同じことだった。

大人になってから必要なのは難しい問題を解くことじゃないことくらい、柚柚だってわかっている。

それでも梨里は運動、柚柚は勉強と言われたくて続けてきた。
それなのに……。

今トップを取っているのは愛乃だった。
「ねぇ梨里、こんなのはおかしいと思わない?」

「テスト結果のこと? うん、たしかにおかしいよね」
< 24 / 233 >

この作品をシェア

pagetop