恐怖姉妹
ちょっと不思議な雰囲気を醸し出している二人に後ろから声をかけたのは、幼馴染の中村彩香だった。
彩香は夏前だというのによく日焼けしていて、長い手足が健康そうに見える。

「あ、おはよう彩香」
二人は同時に振り返り、そして同時にそう言った。

「今日もそっくりだねぇ、影野姉妹は」
彩香がジロジロと二人を見つめて揶揄するように言った。

「でしょう?」
二人は彩香の揶揄を気にする様子もなく同時に答える。

その声もそっくりなため、スピーカーで左右から同じ声を聞いている気分になってくる。
彩香はふたりと一緒に並んで歩きながら「今日はどんな話をしてたの?」と、質問した。

< 5 / 233 >

この作品をシェア

pagetop