恐怖姉妹
なにをするのかはまだ聞いていない。
だけどこのセリフが出たときには互いに覚悟を決めるときだった。

「できる。できるよ、ふたりなら」

☆☆☆

その日の体育は移動教室の後にあった。
みんな一旦教室へ戻ってからまた更衣室へ向かうのがせわしないので、体操着を持って移動教室へと向かっていた。

「あれ? 拓真、お前体操着は?」
移動教室での授業が終わる10分前のこと。

梨里の耳にそんな会話が聞こえてきて耳をすませた。
「あぁ、教室に忘れてきた」

拓真はそう言って肩をすくめる。
一度教室に戻るのは面倒くさいけれど、それでも体育を休む気はなさそうだ。

< 87 / 233 >

この作品をシェア

pagetop