整形ストーカー
伝票を受け取るときに少しだけ指先が震える。
相手に触れてしまわないよう妙に注意していたせいだ。
「合計1230円です」
「じゃ、カードで」
「ポイントカードはお持ちですか?」
いつものセリフだからよどみなく口から出てくるのは幸いだった。
そうでないときっとつっかえて、何を言っていたかわからない。
「ごめんね持ってないんだ」
「かしこまりました」
クレジットカード決済を済ませてレシートを手渡すと、男性は「じゃ、また」と、手を振って店から出ていく。
私はその後姿をぼーっとした気持ちで見つめていたのだった。
「飯沼さん、あがっていいよ」
後ろから太田店長にそう声をかけられて割れに帰った。
レジで時間を確認するともう上がる時間を5分過ぎている。
「じゃあ、先に上がります」
「うん。お疲れ様」
と、従業員入り口へ向かおうとしたときだった。
「あれ? これさっきの人の忘れ物じゃない?」
相手に触れてしまわないよう妙に注意していたせいだ。
「合計1230円です」
「じゃ、カードで」
「ポイントカードはお持ちですか?」
いつものセリフだからよどみなく口から出てくるのは幸いだった。
そうでないときっとつっかえて、何を言っていたかわからない。
「ごめんね持ってないんだ」
「かしこまりました」
クレジットカード決済を済ませてレシートを手渡すと、男性は「じゃ、また」と、手を振って店から出ていく。
私はその後姿をぼーっとした気持ちで見つめていたのだった。
「飯沼さん、あがっていいよ」
後ろから太田店長にそう声をかけられて割れに帰った。
レジで時間を確認するともう上がる時間を5分過ぎている。
「じゃあ、先に上がります」
「うん。お疲れ様」
と、従業員入り口へ向かおうとしたときだった。
「あれ? これさっきの人の忘れ物じゃない?」