整形ストーカー
いつもきれいめな私服でやってくるから、学校帰りとかなんだと思う。
「こんにちは」

男性は私に気がついて笑顔を浮かべる。
その笑顔を見た瞬間に胸の辺りが熱くなって、顔が火照ってくる。

「こ、こんにちは。お一人ですか？」
私は顔のほてりと心臓のドキドキをさとられないように、いつもの文言を口にする。

「うん。今日も１人」
「こちらへどうぞ」
男性の前に立って歩いて行くと、鳴海と視線がぶつかった。

鳴海が目を丸くして「ヤバイじゃん」と、口パクで言っている。
私はそれに気が付かないふりをして、奥の席へと男性を案内した。

「ご注文はタッチパネルでお願いします」
「うん。ありがとう」

爽やかな笑顔にクラリとしてしまう。
そのまま席を去ろうとしたとき、男性客が声をかけてきた。

「今日もバイト頑張ってるんだね」
それが自分へ向けた言葉だと気がつくまで少しだけ時間がかかった。
「あ、いえ、はい」

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