Dearest 2nd 〜Moon〜
オリジナル曲数曲と、コピー数曲。
プラス、マリアのパフォーマンスにコピー一曲。
洋楽、ロック、バラード、ポップアップな曲……と、歌えば歌う程、俺の死んでいた声帯が息を吹き返していった。
有り難い事にライブは久々の復帰という事もあってか、最高潮に盛り上がった。
実は彩だけの為に歌いたい曲を一曲、含んでいた。
───B'zのCalling、だ。
今回のセットリストは、“せっかくの俺の復帰だから”と……。
歌いやすいように、メンバーからは好きなものを歌っていいと言われ構成を組んでいった。
この曲は、桜の木の下で彩に告白して玉砕した日に車内で流していたもの。
俺にとっては思い出の曲になっていた。
これを聞けばあの日の楽しかった甘い思い出も、
これからフラレるって分かってて気持ちを伝えた苦い思い出も、すぐに思い出せる。
詩も、何だか俺の今の心境にピッタリだな……と思って。
彩に聞いて欲しくて、今は“君だけの為に歌ってるんだよ”って気付いて欲しくて。
……そんな、ガキみたいに分かりやすい曲を一曲織り交ぜて歌っていた。
───……君は、今も気付いてないかもしれないけどね。
──────………
──────……
ライブ終了後。
「あ~ッッッ‼★★楽しかったぁぁーーー★★★」
「大成功だったなー」
「タバコが吸いたい……酒が飲みたい……」
確かな手応えを感じた俺達は満足そのもので楽屋へと戻っていた。
「ふーっ……」
──────カタンっ!
崩れるようにイスに座り込み、汗が流れ落ちる身体で目を閉じた。
「純大丈夫かー?」
「んー…多分ねー……」
「やっぱ純はすごいね!全然声戻ってたじゃん!」
「まーね~。……でも久々過ぎてヤバイ……
このまま俺目ー閉じたら天国行けちゃいそう……」
「あはは、ぶっ飛ばしてたもんな。」
「んー…疲れた……ねむ………」
マジでいっちゃいそ…。
目を閉じて天を仰いでいた時。
───バタンッ!
勢いよく部屋のドアが開き──…
「あーっ♪アヤヤーっ♪♪♪」
壱が来訪者の名前を嬉しそうに叫んだ。


